本治と標治

鍼灸治療の元となる理論が「黄帝内経」というものが中心です。

鍼灸治療というよりは東洋医学、中医学、漢方などもまずはこの本が出てきます。かの有名な「養命酒」のCMでも出てきますね。まあ、とにかく、東洋医学(中国を発祥とするもの)は、この「黄帝内経」から始まるんです。ここから、色々臨床して、経験が確信となり、いろんな流派ができたりもします。

 

ただ、一貫して意識統一されているのが、「本治」と「標治」です。

いろんなやり方はあるけれども、このふたつについては、皆、意識が同じだと思います。

「標治」とは、今まさに痛むとか問題となっているところを緩和させることを目的としている治療法です。表にあらわれている不調を改善するものですね。

 

「本治」とは、その状態になぜなったのかを推察し、本当に問題であるところを治療することです。

東洋医学はすぐに結果が出ない、あるいは、逆に痛みがすぐに消えて不思議、などさまざまな体験をされている方もいると思いますが、「標治」が上手に行えて痛みや不調が一回で良くなったとしても、その症状になぜなったのかを弁証していかないと、同じ状態がまた起こるということなんです。また、本治を行わないと標治を行っても改善できない場合もあります。

 

「本治」が大切と言われるのは、そこなのですが、状態によっては、やはり時間がかかります。漢方薬も3か月くらい続けて判断したりしてますよね。

普通、鍼灸師は、治療時に標治と本治を両方同時に行うと思います。

痛みや不調などが良くなる過程には、本治で少しずつカラダのバランスを整えながら行っています。

 

美容鍼灸も同じように、カラダのバランスを整える必要があるので、全身治療とさせていただいています。お顔だけお願いします、というご希望もありますが、お顔だけというわけにいかないのが上記のことがあるからなんです。

 

ではでは(^O^)/