さてさて、燥邪の季節でもありますが、食べ物もおいしい季節です。
東洋医学には味も五つありますよ。少し、説明も加えますね。
酸味
散らばっているものを集めたり、浮き上がっているものを沈める作用。
高血圧の方やお酒が好きで、お顔が少し赤みがかっている「陽」の気があがっている方には、すっぱいもので少し沈めてあげる作用があります。夏に酸味のものが多いのもこういう働きがわかっていたからかもしれません。冷えてる方はこの時期、控えてみてください。
苦味
固める作用、燃え上がっているものを鎮める作用。
これは熱をさげる作用を想像していただくとわかりやすいです。解熱剤のとんぷくはとても苦かったのではないでしょうか。台湾の亀ゼリーも苦味がありますが、台湾は暑い地方ですから、体の熱が多すぎるときによかったのかもしれません。こちらも「陰」のタイプで胃が弱っている方は控えましょう。
甘味
緩める作用、気血・津液を多くして身体各部を潤す作用。
疲れたときに甘いものがほしくなるのは、こういう作用があるからですね。
ただ、食べ過ぎたりすると、緩める状態ですからね。ゆるんだお肉になってしまいますから、気をつけないと。
辛味
陽気を多くして温める作用。
冷えの強いときに、辛いもので温めることがあります。韓国のスンドゥブなど、寒い時に食べたくなりますね。でも、これも食べ過ぎ注意。汗が出すぎることで、逆に体を冷やす場合があります。辛味はほどほどに。
鹹味(かんみ・塩辛い味)
鹹味は水で固まったものを和らげる作用、水を少なくする作用。
北海道では気をつけたいですね。おいしい海産物もけっこう塩辛いものが多いです。これは水分代謝に問題がある場合は、かなり気をつけないといけません。血圧が高い方は血の中の津液が少なくなることをイメージしていただけると、血の流れが悪くなるのもわかると思います。
どの味も、必要な働きがあります。バランスよくいただくことが一番の養生ですが、体調や季節によって、少し意識してみると味の働きをもっと利用できると思います。